岐阜市議会議員 まつばら和生

ご意見・お問い合わせ
後援会のご案内

平成16年6月議会(一般質問)

◯1番(松原和生君) おはようございます。
    〔「おはようございます」と呼ぶ者あり〕
 発言通告に基づき、順次お尋ねをさせていただきます。
    〔私語する者多し〕
 まず初めに、水防団員の任務の重要性と制度の問題点についてお尋ねをいたします。
 本市では現在、27団、1,549人の水防団員が岐阜市の防災体制のかなめとして、また、地域に戻られては地域活動の1つの柱として御貢献いただけておりますことに心から敬意を表しますとともに、引き続きの御活躍をお願いいたしたいと存じます。そうした中、先日、水防団員が地域の防災活動において事故に遭われるという事例が発生しました。プライバシーもありますので、具体的には申しませんが、その災害の手続方について助言をするべく調査をした、その過程で実に基本的な部分で制度上の問題点があることに気づいたのであります。それは岐阜市において消防団員と遜色ない防災活動の重責を担われている水防団員の活動実態に法制度が追いついていないということであります。
 例を挙げて申し上げますと、東海地震が発生をしたとします。消防団員とともに水防団員にも地域防災計画に基づき出動要請がかかることとなっています。しかし、地域防災の、いわば飛車と角であります消防団員と水防団員が被害を最小限度にとどめるべくその活動に全力を尽くす中、洪水を防御するなどの水防活動は別として、避難誘導や救助活動を応援した場合、消防団員は公務災害の対象となるのですが、水防団員は同じ防災を目的とする非常勤公務員でありながら補償の対象外なのであります。この原因は、消防法及び関係法令で消防団員の任務を消防活動、そして地域貢献活動と規定しているのでありますが、水防法では水防団員の任務を水防活動にかかわることのみと狭めており、地域貢献活動は抜け落ちているからであります。余談ですが、消防団員は、その拡大解釈によって、地域貢献活動の一環として市民運動会などのテント設営の際に負傷をした場合でも条件次第で公務災害の対象となるのでありますから、その差は歴然としているのであります。そして、不思議なことに内容にそれだけの違いがありながら、義務である消防団員等公務災害補償等共済基金への掛金は、消防団員1人と水防団員1人の保険料が同額なのであります。この背景を探ってみますと、国レベルにおいて専任水防団員への理解が低いようでありまして、昨年度の資料によると、全国で本市のような専任水防団員を設けている地方自治体は極めて少数派であり、全国水防組織に占める専任水防団員の人数の割合は2%弱なのであります。大多数の地方自治体では消防団員が水防活動を兼任しているのでありまして、岐阜市のような専任水防団員の活躍は少数派ゆえに、その実態が中央から見過ごされてきたのであります。しかし、41万都市のど真ん中を1級河川の天井川が走る、こういう危険な構造の都市が全国に幾つあるのか。歴史の中で水害に苦しんできた濃尾平野特有の地理的な宿命の中で、自分たちのまちを自分たちで守るという意識を持った専任水防団員が消防団員と同じく地域防災の中心的役割を担ってくれていることに対して、安心して御活躍いただけるよう、任務の範囲、公務災害の補償、消防団員に準ずる退職報償金制度の整備なども含め、本市としてしっかり手当てしなければなりません。地域を守り、地域に貢献するという思いで活動をされている、その実態に見合うよう国に制度改正を働きかけるべきと考えます。
 そこで、都市防災部長兼消防長にお伺いをいたします。
 専任水防団員の任務の重要性と法制度の問題点についてどのように認識をしておみえになるのか。また、本市の実態に合うよう国に法制度の改正を求めるべきでありますし、もしも全国の少数派ゆえに困難であれば、それこそ構造改革特区、私が昨年から提唱しております水防特区を申請し、地域を守るために安心して活躍いただける体制を整えるべきと考えますが、都市防災部長兼消防長のお考えをお尋ねいたします。
 次に、景観緑三法と市の景観行政についてお尋ねをいたします。
 景観緑三法とは、我が国で初めて景観について正面からとらえた総合的な法律である景観法を中心に、「都市緑地保全法等の一部を改正する法律」、また、都市計画法、建築基準法、屋外広告物法の一部改正などを行う「景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の3点の法律の総称で、今通常国会において審議され、景観法案及び「都市緑地保全法等の一部を改正する法律案」については全会一致で可決。また、「景観法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案」については共産党等を除く賛成多数をもって、それぞれ先週の金曜日に可決されました。近日中に公布され、その後6カ月以内の施行ということになります。
 中心となる景観法では、基本理念の中で、良好な景観が国民共通の財産であること、良好な景観は、地域の自然、歴史、文化と人々の生活との調和により形成されること、観光や地域の活性化への配慮が必要なこと、行政と住民の協働により進めるべきであることなどをうたっており、景観を前面に掲げた画期的な法律の誕生であります。また、国と地方自治体、事業者、住民の責務が明記されており、地方自治体については、良好な景観の形成に関し、区域の自然的、社会的諸条件に応じた施策の策定及び実施を求めているのであります。
 さて、本市ではかねてより景観行政の重要性を認識をし、平成7年に岐阜市都市景観条例を制定いたしております。ちなみに全国の地方自治体の14%で景観条例を制定されているそうであります。また、岐阜市都市景観条例第3条の規定に基づく岐阜市都市景観形成基本計画を策定して、きょうまで取り組みを進めてきたところであります。しかしながら、法の根拠のない自主条例であったため、届け出や勧告など、強制力を伴わない手法以上のものは定めることができず、強引に景観を乱す行為を十分規制するには限界がありました。しかし、景観法の成立によって自主条例であった景観条例に確固とした法的な根拠が与えられ、強い行政処分と罰則規定をも持たせることが可能となったのであります。また、法では古い町並みを守るために相続税等の配慮もなされており、景観緑三法によって、今後、実効性の高い景観行政が展開できるものと期待をいたします。
 そこで、まちづくり推進部長にお伺いをいたします。
 まず、この景観緑三法の御認識について、また、本市の景観行政にもたらす効果についてお聞かせください。
 そして、法の成立に合わせ、今後、岐阜市都市景観条例の見直し、そのほか関係施策の新たな展開が必要となるものと存じますが、その取り組みについてまちづくり推進部長のお考えをお尋ねいたします。
    〔私語する者あり〕
 次に、インターネットの持つ危険性の指導についてお尋ねをいたします。
 私は平成12年6月定例会の一般質問において、「情報化教育の持つ危険性」というテーマで今回と同じ観点から質問をいたしました。ちょうど4年前の6月、安藤教育長には就任後初の定例会であったことと記憶しております。当時IT教育導入に向けた取り組みを進めつつある中での質問でありました。振り返りますと、本市は小学校について平成13年度までに全校にパソコンルームを設置し、21台ずつのパソコンを整備、また、中学校については平成11年度に全校にパソコンルームを設置し、41台ずつのパソコンを整備してきました。そして、パソコン導入と同時にインターネット接続を可能とし情報化教育を進めてまいりました。当初、教師の方こそパソコン操作ができるのかなどと、この議場で論議されたことは記憶に新しいところです。現在ではパソコンを使用した授業は、小学校で年平均16時間程度、中学校では年平均22時間程度であり、インターネットの使用は、社会科や「総合的な学習の時間」の調べ学習を中心に実施されているとのことであります。
 さて、国際化や情報化社会が進む中でインターネットは有効な道具として世界じゅうで使われていますが、一方で、国際的なルールが確立されておらず、児童生徒にとっては必ずしも安全な環境とは言えません。わいせつな情報、暴力的表現のほか、爆弾の製造方法や犯罪を教唆するような情報、カルト集団の巧みな勧誘、差別的表現、誹謗中傷、自殺の仲間づくり、売春のあっせんなど、違法、有害な情報の流通が大きな社会問題となっているのも事実であります。そうした危険なものとそうでないものが一見同列に並んでいることは、純粋で無防備な子供たちにとってまことに危険なことであります。加えて、インターネットにのめり込むことによって友人や家族との人間的な会話を減少させ、バーチャルリアリティーの世界に引きずり込まれ、不登校や昼夜逆転現象などを引き起こす危険性を持った、未成熟な子供の心をゆがめる凶器にもなり得るものであります。
 今や多くの家庭にパソコンが普及しており、インターネットは子供の間で予想を超える急スピードでの広まりを見せているのであります。学校において子供たちに早い時期からパソコンをごく身近な道具としてなれ親しませるという指導目標を達成することが、一方で、危険にさらされたり心をゆがめる落とし穴に接近させている可能性をあわせ持っていることを指導者は十分に認識をしながら、しかるべき情報化教育を進めていく必要があると心配をするのであります。
 そこで、教育長にお伺いをいたします。
 インターネットが子供たちに与える弊害、危険性についてどのように認識をしておみえになるか。
 また、今日までの情報化教育の中でその点をどのように指導してこられたのか。
 そして、予想を超える速さで子供たちの世界に広まるインターネットの持つ危険性の指導について、今後の対応をお尋ねをいたします。
 最後に、大型プロジェクトに係る検討委員会についてお尋ねをいたします。
 先日、本市の懸案事項でありました長良川ホテル跡地利用についての案が発表をされました。長良川桟敷なる施設の展開に向けて準備を進めていくということであります。私も長良川ホテル跡地には観光の拠点施設をという観点で、かねてより発言をしてまいりましたが、市民の期待にこたえるものとなり得るのか、内容についてはしっかり精査していきたいと思っております。この検討の過程において気にかかるところがありますので、この機会に市長の御見解を確認しておきたいと思います。
 このホテル跡地利用は市にとって最重点課題の1つでありました。市内部で相当の議論がなされてきた。そして、コンペによって外部から提案を募り、それを大学教授らから成る検討委員会に審査してもらい、一番となったものを発表されたわけでありますが、市の政策や責任というものがかすんで見えるのであります。今後、岐阜大学病院跡地の利用計画、天理教跡地の再整備計画についても外部の検討委員会にげたを預けるように聞き及びますが、福祉などの基本計画策定と違って、物の形をつくっていくプロジェクトにおいて、何がしたいのか、将来のまちづくりを見据えたしっかりしたスタンスが必要であると思います。大学病院跡地については市内部において検討に検討を重ねた上で結論を決めかねている。その答案を書いてもらおうとするように感じるのは考え過ぎでしょうか。もちろん学識経験者や市民代表の方による助言をいただく機会そのものを否定する立場ではありません。しかし、大学病院跡地利用、長良川ホテル跡地利用、天理教跡地利用という大型プロジェクトは、例えば、来月、岐阜市長選挙があるとしたならば、何を築くのかが争点や公約の1つにもなるものでありましょう。それを外部の委員に詰めていただき決定しましたということであれば、市や市長の政策というもの、責任の所在が不透明になりはしないか、心配するのであります。政策立案機能の強化を図るために設けた政策審議室の企画屋の皆さんも出番がありません。また、これらの跡地利用の案件については、かねてから本議場におみえになる各会派の先輩議員からもこの壇上において提言がなされたと記憶します。答弁で検討を約束された、その提言や市政への熱い思いが外部の検討委員会にどういう形で伝わるのか。議案として提出されたものを採決するだけが議員の仕事ではありません。また、万一、事業失敗の際には我々議員は選挙において洗礼を受けますが、学識経験者の方に責任を求めるすべはありません。いろいろと申し上げましたが、市長の政策、プロジェクトに対する責任とまちづくりへの思いが伝わってくるものでなくては、議会と市当局の真剣な議論もかみ合いません。
 そこで、失礼ながら市長にお尋ねをいたします。
 最近目立つ感のあるこうした大型プロジェクトに係る外部検討委員会への依存、丸投げとの陰口も聞こえてくるのですが、その御認識について確認させていただくとともに、今後の計画策定に当たり、市長の政策、まちづくりの思いをどう反映させていくのか、お伺いをいたします。
 以上で私の第1回目の質問を終わります。(拍手)

◯議長(小林ひろし君) 市長、細江茂光君。
    〔細江茂光君登壇〕

◯市長(細江茂光君) ただいまの松原議員の御質問にお答えいたします。
 大型プロジェクトに係る検討委員会のあり方についての御質問であります。
 長良川ホテル跡地あるいは岐大医学部の跡地、大宮北街区など、大型プロジェクトの計画策定におきましては、本市総合計画の基本理念であります市民と行政の協働によりまして、専門的な知識あるいは経験を持たれたさまざまな方々の見解でありますとか、さまざまな市民生活の立場からの御意見をお聞きするため、学識経験者あるいは市民で構成する委員会などを組織して御検討いただいております。私の思いや考えにつきましては、庁内の関連部局などで構成する組織におきましてさまざまな角度から議論、検討することによってそれを形にし、これを外部の委員会にお示しをして意見や御提言をいただくという次第にしております。
 例えば、岐阜大学跡地の計画策定について申し上げますと、中心市街地に約3ヘクタールという広大な空間が生まれるわけでありますが、その利用方策につきましては、これからの中心市街地の活性化にとって大変重要であると。極めて重要なプロジェクトであると認識をいたしております。また、市民の皆様方の御関心も非常に高く、既に多くの御意見あるいは御提案をいただいているところであります。既に示しております私の思いや考え、あるいはそれに対して市民からの貴重な御意見なども含めまして、庁内検討会議において、将来のまちづくりを見据えて、その実現の可能性、有効性、機能性など、さまざまな観点から吟味を行い、比較検討を行うとともに、跡地整備についての課題も整理検討しております。そして、今後、外部の委員による検討委員会に御検討いただきながら絞り込みを進めまして、市民の意見募集も行う中で最終的な計画案を策定することになります。
 また、長良川ホテル跡地につきましても、あの空間に1,300年の歴史を誇る鵜飼と長良川、金華山という自然を調和しながら、にぎわいをつくり出すという私の基本的な考え方を示しながら、コンペ提案という形で広く市民から意見を募ったところであります。
 このような過程を経てでき上がってまいりました計画案は貴重な案として、おろそかにすることはもちろんできません。しかし、これを本市の計画案として議会の常任委員会や特別委員会に説明を重ねながら予算化して議会に提案していくのは、最終的に私ども行政がみずからの責任において行うものでありまして、議員御指摘のような、責任の一端を外部の委員に負っていただくというものではありません。計画策定に際しましては今後も市民の皆様に参画をしていただき、その思いを行政に反映をしていきたいと考えております。しかし、そのことが検討委員会への依存し過ぎであるという御指摘がなされることがないように、委員会等の運営方法あるいは提案の仕方などについても今後十分配慮をし、行政の責任を果たすように努めてまいりたいと考えております。

◯議長(小林ひろし君) 都市防災部長兼消防長、見尾谷 稔君。
    〔見尾谷 稔君登壇〕

◯都市防災部長兼消防長(見尾谷 稔君) お答えします。
 現在、本市の専任水防団員は有事に備えた水防訓練はもとより、洪水時には市民の生命、財産を守るために水防活動に従事していただいております。また、市民の方々への防災意識の高揚を図るために地域活動にも積極的に参加していただいております。しかし、専任水防団員の活動範囲は、水防法で、「洪水又は高潮に際し、水災を警戒し、防ぎよし、及びこれに因る被害を軽減し、もつて公共の安全を保持することを目的とする。」場合に限られております。議員御指摘のとおり、消水防任務の消防団員は、同じ地域活動に参加しても広範囲の活動が認められており公務とみなされます。一方、専任水防団員は公務にならないなど、同じ非常勤公務員でありながら公務範囲の差から処遇に差が生じているため、これらの改善に取り組んでいるところであります。
 本市は新総合計画ぎふ躍動プラン・21において災害に強いまちづくりを基本方針に掲げ、その中で最重点施策の1つとして総合防災体制の強化を目指しております。この目的を推進するためには、専任水防団員が洪水時の水防活動はもちろんのこと、地域活動にも参加していただくことにより、地元自治会との連携を強めることにもなり、組織の強化、維持につながるなど、地域には欠かせない組織であると考えております。したがいまして、専任水防団員の活動範囲を同じ防災組織に携わる消防団員並みに拡大することなど、制度改正等について国に対し強力に働きかけてまいりました。その結果、国では制度改正に向けての取り組みとして、全国の水防管理団体に対し水防活動に関するアンケート調査が既に実施されたところでございます。また、県におきましても専任水防団員に係る担当者会議を今後開催し、この問題に取り組んでいただく予定でございます。
 本市におきましては、これらの国の取り組みをさらに進めていただくよう要望するとともに、かねてより議員から御提案をいただいておりました構造改革特区の活用も検討し、国と協議を進めてきたところであります。今後この問題につきましては構造改革特区の提案を含め、積極的かつ継続的に進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(小林ひろし君) まちづくり推進部長、村瀬博宣君。
    〔村瀬博宣君登壇〕

◯まちづくり推進部長(村瀬博宣君) 景観緑三法とは、議員も御承知のとおり、美しい景観、豊かな緑の形成を促進し、地方の都市再生や自然と共生した社会づくりを目的として国が法制化を進め、今月11日に可決をされ、景観法を中心とする3つの法律の総称であります。中でも、とりわけ景観法は、初めて景観に関する基本理念を確立し、景観形成のための支援策を創設をしております。また、地方公共団体が自主的に定めた景観条例に対して一定の強制力を付与するといった景観整備、保全のための総合的な法律となっております。
 岐阜市におきましては平成7年12月25日に景観条例を制定し、9年度には都市景観形成基本計画を策定するなど、比較的早い時期から景観行政に取り組み、岐阜市らしい景観を守り、つくり、育て上げ、この郷土を市民一人一人にとって親しみと誇りのあるまちにするための施策を展開をしてきたところでありますが、法律に基づかないために具体的な対応に難しいものがありました。今回、法律制定は、こうした今までの条例による枠組みを超えるものであり、本市が景観形成に取り組むに当たり実効性を高めることができ、期待が持てるものと考えております。しかしながら、法律の制定によって景観に関する基準が示されるものでなく、それぞれの自治体、それぞれの地域の特殊性を持って取り組んでいかなくてはなりません。そのために、今後、関係部局と連携しながら、現行の景観条例の見直しを初めとし、景観整備の基準づくりや景観緑三法のメリットを生かしたさまざまな施策の検討を行い、岐阜市独自の景観を整備、保全する仕組みづくりを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

◯議長(小林ひろし君) 教育長、安藤征治君。
    〔安藤征治君登壇〕

◯教育長(安藤征治君) インターネットの持つ危険性に対する認識と、その指導についての御質問でございました。
 インターネットでは互いの顔が見えないことから、相手を思いやる心が希薄になり、互いに誹謗中傷しがちになったり、有害な、また、間違った情報に流されたり、インターネットに夢中になる余りに、友人や家族との直接的な触れ合いが少なくなったり、現実と非現実を混同し社会的な問題を引き起こしたりするといった、いろいろな危険性が内在をしているというふうに認識をしております。今回の長崎県佐世保市での小学生の事件は、情報モラルやネットワーク上でのエチケットの不足に起因するのではないかという見方も報道されております。
 本市におきまして、家庭でパソコンを利用しチャットや掲示板への書き込みを行ったことがある児童生徒は、小学校高学年で約21%、中学生では約23%というデータもございます。こうした状況から、情報社会に参画する態度の健全な育成に取り組む必要性を改めて感じているところでございます。これまで本市では、人と触れ合う活動や動植物に直接触れたりする体験活動を通して心豊かな人間性の育成に努めながら情報教育を推進してまいりました。また、情報モラルの育成については次のような取り組みをしてまいりました。まず、平成13年度末に岐阜市教育情報ネットワークポータルサイトを開設し、その中に児童生徒や教職員の情報モラルの向上を図る内容を位置づけ、誹謗中傷しないで相手を思いやる態度の育成について指導するように働きかけました。平成15年度からは教育研究所の夏季パソコン講座においてネットワーク上でのエチケットにかかわる講座を新設し、教職員の情報モラルに対する理解をさらに深めるようにいたしました。本年・平成16年度は情報教育にかかわるすべての研修において情報モラルの研修を位置づけ、その充実に努めているところでございます。しかしながら、全児童あるいは全教職員に情報モラルが十分に身についているとは言えないと思います。これを機に指導の徹底を図りたいと考えております。
 また、学校においては有害情報を制御することはできますけれども、家庭においての制限までは学校ではできませんので、家庭にも十分に理解をしていただく必要があると思います。PTA懇談会などにおいても啓発をしていきたいと思いますし、学校、家庭、ひいては社会全体でこれらの問題を考え、まず、大人自身が範を示し、児童生徒の情報モラルの育成を目指していかなければならないと、そんなふうに考えておるところでございます。
    〔「議長、1番」と呼ぶ者あり〕

◯議長(小林ひろし君) 1番、松原和生君。
    〔松原和生君登壇〕

◯1番(松原和生君) それぞれ御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 まず、水防団の任務の重要性について要望させていただきますが、岐阜市の段階では、私の申し上げたことは十分理解をいただいているようでありまして、国に対して強力な働きかけをしていただいている。しかし、先ほど申し上げましたように、極めて専任水防団を持つ地方自治体が少数派であるため法の改正には至らない。それであれば、ここで構造改革特区と、こういうことになるわけでありますが、しかし、1点心配するところがありまして、これは担当部局とも話をしたのでありますが、消防というのは、消防庁といいますか、総務省の管轄であって、国の縦割り行政の中で総務省は防災というその自分の権限、権益を守りたいようであります。国土交通省の水防という方に自分のその権限を余り渡したくない。こんな地方で頑張っている地方自治体職員、我々地方議員から見たら、何を言っとるんだと、こんなような壁もあるように伺いますが、ぜひ当局には、地域を守る、そういう思いで活躍をしてみえる水防団員の皆さんが安心して御活躍いただける環境づくりのため、引き続き全力を尽くしていただくようにお願いを申し上げます。
    〔私語する者あり〕
 景観緑三法と市の景観行政についてでありますが、ここに岐阜市都市景観条例の冊子があります。短いですので、その前文、前文て、前の文の方の前文ですが、こちらを読ませていただきますと、「長良川と金華山に代表される恵まれた自然環境、日々のくらしの中で培われた歴史と文化、さらには幾多の災害から復興を果たした先人の努力、これらを背景に今日の岐阜の都市空間が形成されている。その都市空間における環境の現れであり、文化の現れでもあるのが都市景観である。わたしたち市民は、これらのことを深く認識し、岐阜のまちをさらに美しく、個性豊かなまちとして次代に引き継ぐため、都市景観の重要性を理解し、その向上に努めなければならない。ここにわたしたち市民は、都市空間が市民にとってかけがえのない共有財産であることを認識し、ともに力を合わせて、水と緑に恵まれ、歴史と文化に彩られた、活力に満ちた岐阜らしいまちの景観を、守り、創り、育て上げることにより、この郷土を市民ひとりひとりにとって、親しみと誇りあるまちとすることを決意し、この条例を制定する。」と。すばらしい考えだと思います。しかし、申しましたとおり、自主条例であったため法的な裏づけはなかった。これが、その根拠ができたわけであります。6月1日のそれぞれ議場の皆さんの各部長の重点目標、これを見ましても、まちづくり推進部長・村瀬部長は、地域の特性を生かした景観形成を目指し、まちづくり活動を支援し、推進しますと、こういうことでありますので、条例の見直しなど、積極的な取り組みをお願いをしたい。また、将来、改めてこの質問についてはさせていただくことになると思いますので、お願いをいたします。
 さて、まちづくり推進部長に質問しましたが、景観に関する市の関係施策については、都市計画法の関係もありますし、複数の部署にまたがる部分もあります。おみえになる松谷助役、国においてまちづくりについて携わってみえた経験もあると聞きますので、そうしたトップからの立場、そして、国でそのまちづくりに携わってみえた経験も含め、この機会に景観行政についての総合的な御見解をお尋ねしたいと思いますので、お願いをいたします。
 インターネットの持つ危険性の指導についてであります。
 4年前に私が質問をいたしましたのが──ちょっとだけ席に行っていいですか。
    〔松原和生君降壇後再登壇〕
    〔私語する者あり〕

◯1番(松原和生君) (続) いや、ちょっと発言したことを……。4年前、皆さんの記憶にありますか、この年に西鉄高速バス乗っ取り事件という事件がありました。17歳の少年が高速道路で西鉄高速バスを乗っ取って、
    〔私語する者あり〕
そして、1人を車内で殺害、2人に重傷を負わせたという、こういう事件があったわけでありますが、4年前の際、その事例も例えに挙げまして、そのときに、その少年は部屋にかぎをかけてインターネットにはまり出してから、周りは言動などから危険を感じ始めたという。その犯行に使った複数の刃物はインターネットの通信販売で、通常では販売できないものを購入した。「パソコンを買ってやってから息子は変わった。」と母親は肩を落として語ったと、こんなような新聞記事を紹介さしていただいたんでありますが、先日の長崎県佐世保市の小学校6年生女子児童死亡事件において、加害児童がインターネットに熱心であった、こんなことがきのうの岐阜新聞でも紹介されてます。これは事実かどうか新聞の記事でありますが、その『女子児童が、はまったのがインターネット。帰宅すると居間で一人パソコンに向き合って、「会ってもあいさつしない子になった」。近所の人は女子児童の小さな変化を話す。』「ネット社会の“病巣”分析へ」。
 今回の質問をこの長崎県佐世保市の事件を受けての質問と思われたかもしれませんが、それ以前から考えていた質問であります。私は1つの事例をとらえて、まるですべてがそうであるかのように大きな問題とする、そういう論調は本来好きではありません。
    〔私語する者あり〕
しかし、このインターネット、この問題についてだけは心底心配なのであります。日本の将来を担う子供たちの健全な育成のため情報化教育は今後も必要であることと存じますが、あわせて、しかるべき対応、指導をよろしくお願いしたいと思います。大人が思っているよりもずっと速いスピードで子供たちにインターネットが広まっている。改めてそこのところを御認識をいただきたい、申し上げます。
 大型プロジェクトに係る検討委員会についてでありますが、大学病院跡地、長良川ホテル跡地、天理教跡地、岐阜市の中心市街地活性化、岐阜市の観光の振興、そういったものを左右する極めて重要なプロジェクトであります。先ほど失礼な例えで申し上げましたが、本当に今、市長選挙があるとしたならば、この跡地利用のどうするかということについては、その公約やら争点やらとして浮かび上がってくる、そういったものでもあるわけでありまして、最終的には私ども行政がみずからの責任において行う議員の指摘のような、責任の一端を外部の委員会に負っていただくものではない、検討委員会に依存し過ぎていると指摘されることのないよう、運営方法や提案の仕方について十分配慮して行政の責任を果たすよう努めてまいりたい、こういう御答弁については了解をいたしますが、将来のまちづくりを見据えて、市長のリーダーシップをしっかり発揮していただきたい。何をしたいのか、しっかり示していただきたいと思います。これだけ重要なプロジェクトでありますから、検討委員会には、議会におけるかねてよりの提言などについても伝えていってほしい。こういった部分が途切れるとバイオマスのようなことにもなりかねませんので、この点についても(笑声)お願いをしておきたいと思います。
    〔私語する者あり〕
 以上で2回目の質問を終わります。
    〔私語する者あり〕

◯議長(小林ひろし君) 助役、松谷春敏君。
    〔松谷春敏君登壇〕

◯助役(松谷春敏君) 景観行政の総合的な所感を述べろという御質問でございました。なかなか難しい御質問でございます。
    〔私語する者あり〕
御質問の趣旨にかなうかどうかわかりませんが、私の経歴も含めて、思いを少し、お時間をいただいて申し上げさせていただきたいと思います。
 私は、平成に入りました時期に旧建設省におりまして都市景観行政を担当しておりました。当時はまだ景観条例も117ぐらいの都市でできただけで、各都市とも景観行政については着手をした、もしくは、どうしようかと悩んでいる時期だったと思います。で、国のレベルでも景観行政というのはある意味ではすき間行政でございました。非常におもしろい行政だと思っておりましたけれども、例えば、予算制度を出したいという提案もしましたが、景観ごときで金を使うような余裕はないということで、すぐにつぶされたということを経験もしております。そういう意味で法律も応援するような事業制度もございません。何をやったかというと景観の大事さを世の中に訴えていくということや、それぞれの自治体で取り組んでおられることを連絡調整してといいましょうか、情報交換するような場をつくるということでございます。今でも実施されておりますけれども、10月4日は都市景観の日ということを定めて、全国的に運動を盛り上げるというようなことをやったことが私としてできたことでございます。現在段階では景観条例も全国で494という、当時の4倍になりました。景観法もできましたし、予算制度も、景観形成事業推進費というものもできたということで、隔世の感がございますし、感慨深いものでございます。
 で、景観法ができてきた経緯を見ますと、これは実は地方分権といいましょうか、地方と国の関係の1つのいい例になっているというふうに思っております。先ほど申し上げましたように、地方では先に条例ができた。100になり、200になり、300になるということがあったわけですけれども、そこにやはり限界があったと。それを国が今回、景観緑三法ということで、全国の制度化をして地方に力を与えようということであります。地方が国の政策を動かしたとも言えるわけでございます。この景観法の必要性についての資料の中でも背景として公共団体におけるその取り組みがあり、ただし、その取り組みの限界として国民共通の基本理念が確立していないこと、それから、自主条例の限界、それから、国としての税財政等の支援が不十分であるということから、基本的な法制を整備して公共団体に力をつける、与えるということが目的として語られているわけでございます。
 この経緯は、景観法だけではなくて、三法の中にあります屋外広告物条例も同様であります。御案内のとおり、岐阜市を初めとして数都市で屋外広告物の規則をですね、規制を構造改革特区で特例的な運用をするということを申請して認められたわけでございまして、これが屋外広告物法全体の全国的な改正につながる先行事例になったということで、岐阜モデルという言葉も、私、国の方で聞きましたが、そういったことにつながったということでございます。やはり岐阜もかなりそういう意味では先行的な施策を取り組んでいるというふうに思っております。
 で、景観法がようやくできたというのは、そういう意味では時代が産んだものではないかというふうに思っております。20世紀はよく経済的なこと、効率的なこと、物的なものに価値があったと言われておりますし、量的な充実を追求した時代だったというふうに言われます。行政もこういった点が中心だったと思いますし、民間の経済活動もやはりこういうことが中心だったのではないかと思います。その結果、美しい国土、それから、地域固有の町並みというのはほとんど消滅をしてきた。20世紀の負の遺産というふうにも言われます。21世紀はやはり内面的なもの、質的なもの、精神的なものといったものにより多くの価値を見出すべきではないかということでございます。平成10年に新しい全総──全国総合開発計画、21世紀の国土のグランドデザインというものがつくられましたが、開発一辺倒だったそれまでの全総と一番違う点として、美しい国土の創造というものがうたわれた点であります。このころから国の行政についても美しい国づくりに大きなかじ切りがされたのではないかというふうに思います。これからの都市の競争、厳しくなると思いますけれども、規模とか力とか数の競争だけでなく、やはり美しさとか文化の深さといった面での競争、むしろそちらの方が力、勝負を決めることになっていくのではないかというふうにも思います。
 また、景観法というのは3文字なんですね。景観法と。で、法律は2文字からあります、憲法、刑法、民法とかですね。3文字というのは、例えば、道路法とかそういうものなんですけれども、最近つくられる法律はですね、ほとんどが長いんです。何とか何とかの形成の促進に関する法律とかですね、この景観法というのが3文字でできたというのは、やはり大きくぼこんと抜けていた分野であり、また、その基本的な法律だということをあらわしているのではないかなというふうに思います。
 で、岐阜市の景観行政は、先ほど議員御指摘のとおり、景観条例がありますし、前文、御朗読いただきましたが、非常に高い理念でつくられております。また、これに基づいて基本計画もできておりますし、重点地区も金華山・長良川地区と駅周辺都心部で2カ所定められております。総論はあるんですけれども、各論、具体論のところがやはり弱かったのかなということで、一昨年、昨年と話題になりました金華山のふもとでの例えば、マンション建設のようなことについてやはり対応できるようになっていなかったということがあるのではないかと思います。したがいまして、道具立て、公共団体に条例に力をつける道具立て、枠組みはできたわけですので、これを具体的どう使いこなしていくかということが岐阜市に問われているのではないかと思います。
 で、まずは岐阜市民が美しい郷土を守り育てるという意識をもう一度共有するということが大事なのかなということと、それから、景観の保全が単に景観にとどまるだけではなくて、豊かな生活の創造につながるとか、地域の活性化につながるということと一体でやはり施策を展開するということではないかなと思うわけです。例えば、景観法というのは都市だけではなくて農山漁村も対象になっております。で、一見関係がないような例えば、農業振興とか里山保全とか水路を自然に戻すとかですね、そういったことは積もり積もると美しい田園風景をもう一度戻していくと。岐阜には非常に美しい田園風景があると思いますけれど、やはりかなり危機的状況でもあろうかなと思いますが、そういったこともやはり景観という切り口に1つの目標を置けるのではないかと思います。当然金華山・長良川地区とか駅周辺地区とか、いろいろと岐阜らしさをあらわすものはあると思います。私、助役といたしまして、こういった景観の価値観を市政の全体に溶け込ませること、そして、市の総合力を持って施策を展開すること、そして、市民と力を合わせて美しく活力のある岐阜市を実現していくということに気持ちを新たにして取り組みたいと思っております。
 以上でございます。
    〔私語する者あり〕(笑声)